こんにちは!福岡市南区大橋 キッズスペースがある歯医者 歯科医師 小幡と、歯科衛生士の八尋です。当院は大橋駅から歩いて徒歩5分です。提携駐車場もございますのでお気軽にお尋ね下さい☆
今回は、「治療とメンテナンスの中断はなぜ良くないのか?」というテーマでお話をさせて頂きます(^^)
まずは治療の中断について。。。
風邪は病院へ行かなくても治ることがあります。しかし再石灰化が可能な極初期のむし歯を除いては、むし歯が自然に治ることはありません。むし歯は進行すると治療が複雑になるため、当然通院回数が多くなってしまいます。すると治療を途中で中断してしまう患者さんもいらっしゃいます。今回は特に治療の中断をしてしまいやすい根の治療(根管治療)についてお話します。
むし歯が神経まで進行してしまうと歯を残すために根管治療が必要になります。
根管治療の流れ
1.汚染組織の除去・・・虫歯菌に汚染された根管内の神経や血管などを取り除きます
2.根管内計測・・・根管内を成型し、根管の深さを専用の器具を使って正確に測定します
3.洗浄・除菌・・・根管内に細菌が残らないように、しっかり洗浄し徹底的に除菌します
4.薬剤の充填・・・根管内に細菌が入らないように、根管内部にすき間なく薬剤を充填し密封します
5.土台の構築・・・歯の根に、被せ物を装着するための土台となる部分をつくり芯(コ ア)を立てます
6.被せ物の装着・・・土台に被せ物を装着し、咬み合わせなどを調整して完了です
このように、この治療を確実に行うためには、どうしても治療工程が多くなってしまいます。また根管はとても細かいうえに複雑な構造になっており、中には1つの歯に対して3~4本の根管があることもあるなど、根管治療はとても難しい治療です。
しかし、通院回数が増えると途中で治療をやめてしまう方もいらっしゃるのが現状です。
痛かった歯が突然痛く無くなり、むし歯が治ったと勘違いしがちですが、神経をとったために「痛みを感じなくなっているだけ」なので、これは非常に危険です。中断した状態で放置するとまだ細菌感染した歯質や神経が残った状態なので、残っている細菌により感染箇所が徐々に拡大していくことになります。また、神経を取ってもろくなった歯が割れてしまい、残せるはずだった歯が抜歯せざるを得なくなってしまうこともあります。
根管治療中によく根管内に入れるお薬に水酸化カルシウムがあります。このお薬の抗菌効果の限界は4週間です。また、根管治療中に仮の蓋としてよく使われる水硬性セメントが唾液から根管内を守る限界が2週間という報告があります。これ以上治療期間が開いてしまうと根管内に細菌の再感染のリスクがどんどん高まってしまいます。
むし歯は、早い段階で発見できた場合の治療は比較的簡単です。しかし、悪化することによって、治療も複雑になり通院回数も増えてしまいます。歯へのダメージをなるべく減らすためにも早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
「一度治療を中断してしまったから、歯医者に行きにくい……」と、中断したことに不安を抱えながら、なかなかもう一度歯科医院に行けない、と悩まれている方もいらっしゃると思います お忙しい中で、やむを得ない事情などによって、ときには治療を中断してしまったということもあると思います。しかし中断して、そのままにしていることが一番危険です。お口の中の状態を、これ以上悪化させないために、早めの治療をおすすめします(^o^)
続いてはメンテナンス(定期検診)の中断について。。。
ここでは治療後のメインテナンスについて説明します。数ヶ月から1年以上にわたって、治療のために歯科医院へ通い続けて、ようやく治療も終了となると、誰もがほっとするものです。仕事が忙しくて治療を中断したままの方もいるのではないでしょうか?継続して通院する努力は大変なものですが、治療が終了してもここで安心してはいけません。お口の中は、「メインテナンスフリー」というわけにはいきませんので、歯科医院のブラッシング指導で教えてもらった方法を毎日実践することが重要です。
メインテナンスは、「治療によって得られたお口の健康な状態を持続させ、再発を防止すること」を目的としています。毎日各自が行っている歯ブラシ、デンタルフロス、歯間ブラシなどを使ったセルフケアが重要なのは当然ですが、このセルフケアで及ばない部分を、定期的なプロフェッショナルケアで補ってあげるのがメインテナンスです。
治療期間中は、清掃状況をチェックされるので一生懸命ブラッシングをしますが、治療が終了するとサボリ気味になるのが常です。むし歯や歯周病はいわゆる生活習慣病ですから、日頃の生活習慣(ブラッシング習慣)が大切です。食後に必ずブラッシングをするのが難しい方は、1日1回は時間をかけてブラッシングをしましょう。
夜寝る前のブラッシングが一番効果的ですし、夜寝る前が最も時間を取りやすいでしょう。
また、デンタルフロスや歯間ブラシといった歯間清掃用具が必須であると分かっていても、継続して使用することが難しいようです。大抵の人は、手持ちの道具がなくなると使用しなくなるようです。最初は多めに購入して一生懸命使い続けていると習慣になり、使わないと気がすまないようになります。
メンテナンスの間隔ですが、むし歯の治療のみを受けていた方で歯肉に問題がない場合は、4ヶ月に1回のメインテナンスを受けましょう。
歯周病の治療を受けていた方は、もう少し短い間隔でメインテナンスを受けましょう。
プロフェッショナルケアを受けても、直後から細菌は徐々に増えていき、バイオフィルムを形成します。これが古くなるとセルフケアでは落とすことは難しくなります。その落としきれなくなる間隔が4ヶ月なのです。
なので4ヶ月おきのメンテナンスをオススメしております。
ただし、これは歯ぐきの状態が問題ない方の場合です。歯周病が進行している方や、炎症がある方は間隔を1ヶ月〜3ヶ月に設定させて頂き、ケアをさせていただいております。
最後に。。。
治療中断の危険ベスト3の発表です☆
第3位。。。『歯周病治療、メンテナンスの中断』日本人の多くが歯周病の放置で歯を失っています!歯周病特有の口臭も出てきます。
第2位。。。『虫歯の治療の中断』進行した虫歯によって、歯の神経が腐敗したり、虫歯による口臭の原因にも!
第1位。。。『歯の根の治療の中断』放置すると、歯の根の先端から膿がでて顎の骨を溶かすことに!歯の寿命が一気に縮まります!
歯は失って初めて大切さがわかるものです。しかし、失ってしまってからでは後悔しかありません!
いつまでも美味しくご飯を食べたり、お喋りしたり、口元も美しくいたいものです。
治療が終わったらメンテナンスもしっかりと受けましょう(^○^)