こんにちは!
痛くない、怖くないと評判の歯医者平岡歯科クリニック歯科衛生士中山です!
当院は大橋駅より徒歩3分です(^O^)
今回は唾液とお口の中の細菌について書いていきたいと思います(^^)
まず始めに、唾液の成分についてです。
唾液には様々な作用がありますが、その大半は水分によって構成されています。厳密にいうと、唾液は99.5パーセントが水分でできており、残りの0.05パーセントが様々な効果をもたらす成分でできています。つまり、唾液中のほんの一部の成分が重要な機能を担っているのです。
唾液には、次に挙げるような7つの作用があります。
■消化作用
よく咬んで唾液を出して食事をしないと、消化し辛くなり、胃に負担をかけることになってしまいます。
■潤滑作用
食べ物を唾液で濡らし、喉を通りやすくする作用があります。また口の中の粘膜を潤し、声がよく出るよう発声を滑らかにしたり、食べ物や刺激から口の中が切れたりすることから、口腔粘膜を保護する作用を持ちます。
■味覚作用
唾液は食べ物を分解することで、味覚を感じやすくさせます。唾液がなければ、ヒトは味を感じることが難しくなってくるのです。
■自浄作用
唾液は食事の時だけでなく寝ている時にも分泌され続けています。絶えず分泌されることで、お口の中の食べ物や歯についた汚れを洗い流しているのです。
■抗菌作用
唾液は細菌の侵入を阻む作用も持っています。
細菌に対する抗菌成分をもつものが唾液の中には10種類ほど存在しており、唾液にとても強い殺菌作用をもたらしているのです。動物が傷口を舐めたり、けがをした際につばを付けとけば治るという表現はとても理にかなっているものなのです。
■再石灰化作用
酸性の刺激を受けると脱灰を起こします。虫歯菌によって産生される酸によって歯の表面が溶けるという現象です。一方、唾液には脱灰した歯質を再石灰化させるという作用があります。唾液の中のハイドロキシアパタイトという成分は、溶け始めた歯を再び修復してくれる作用があり、これが歯の再石灰化と呼び、唾液が担う重要な作用の1つとなっています。
■緩衝作用
歯は酸によって容易に溶解します。これはなにも、虫歯によって産生された酸だけで起こる現象ではありません。例えば酸性の飲み物、また胃酸などによっても歯は溶けていきます。お口の中が酸性に傾くことで歯は溶け始めていくのです。こうした酸性に傾いたお口の中の環境を中性に戻してくれる作用を緩衝作用と呼び、唾液がそれを担っています。
このように唾液にはさまざまな作用が兼ね備えられており、体を健康な状態に保ってくれるように働いているのです。唾液ってすごいですよね。
こんにちは!
歯科衛生士の谷山です(^^♪
次に口腔内細菌についてお話したいと思います!
◾細菌が「感染する」とは?
細菌が体内に入り込んで増殖し、体に害を及ぼすようになった状態を「感染」といいます。口腔内や腸管内には細菌がたくさんいますが、これを感染とは言いません。なぜなら口腔内や腸管内は「体内」ではないからです。
感染とは何かを理解していただくために、まず、「体内」と「体外」との違いは何かをお話しします。
口から肛門まで続く消化管は1本の管になっています。ちくわをイメージしていただくと分かると思いますが、ちくわの穴はちくわではなく、ちくわの外ですね。同じように、消化管の内側は「体外」なのです。感染は、一部の細菌は粘膜に付着した状態でも感染を起こしますが、基本的には細菌が消化管の壁(粘膜)から「体内(=組織内)」に入り込んだ時に起こります。
ドジョウやウナギの表皮と同じ腸管内
突然ですが、ドジョウやウナギが、たくさんの細菌がすむ泥の中に潜んでいても、それらの細菌に感染しないのはなぜだと思いますか。死んだ細胞の角質で外側が覆われ、強いバリアーになっているヒトの皮膚とは異なり、ドジョウやウナギを含めた魚類の表皮は全て生きた細胞でできていて、感染には弱いはずです。それでも平気なのは、ドジョウやウナギの表皮がムチンという粘液の層で覆われて、表皮には泥(の中の細菌)が直接触れていないからなのです。
ヒトの腸管内も同じ仕組みと考えられます。腸管表面の粘膜は生きた細胞でできており、栄養素や水分の吸収・排出といった重要な役目を担うデリケートで壊れやすい組織です。そのため、700~800μm(μ<マイクロ>は100万分の1)のムチン層で覆われています。したがって、糞便中を含めた腸内の細菌は、直接粘膜に触れることはないのです。
一方で、赤痢菌やサルモネラなど腸管で病気を引き起こす細菌は、このムチン層内に自ら侵入する能力があり、粘膜表面の細胞に到達して感染します。
凝集する口腔細菌
口腔内にもムチン層はあるのですが、厚さは腸管内の700~800分の1の1μm程度です。保護する力は強くありませんから、口腔細菌は歯や粘膜に直接付着します。歯に付着した細菌が増殖すれば虫歯になりますし、歯と歯肉の間の歯肉溝に生息する細菌が増殖して歯肉に感染すれば歯周病になってしまいます。
さらに、腸内細菌と口腔細菌には大きな性質の違いがあります。口腔内は唾液が大量に分泌され、かみ合わせの強力な圧力がかかるため、それらに耐えなくてはなりません。ですから、口腔細菌は強い凝集能力を持っています。
口腔細菌の大部分を占めるのはレンサ球菌です。就寝前に歯磨きをしても朝起きたときには同じ種類のレンサ球菌同士が凝集したプラーク(歯垢<しこう>)が歯や歯肉を覆っています。この早期に凝集する細菌集団は健康な口腔環境を維持するための重要な働きをしています。
病原菌を増やす「共凝集」
しかし、口腔ケアを怠ったり、歯と歯の間や歯と歯肉の接触部位に磨き残しがあったりすると異なる種類の細菌も一緒に凝集します。これを共凝集といいます。共凝集では、毒性を持つ細菌や歯肉組織を破壊する酵素を産生する細菌などと、レンサ球菌が複雑に結合し合って、プラーク量は一気に増加します。酸素濃度の低いプラークの深部では酸素があると発育しない嫌気性の歯周病原菌などが増えていきます。
通常は歯肉溝内に細菌が入ってくると、好中球やマクロファージといった免疫担当細胞が飛んできて、侵入者を食べてくれます。しかし、これらの細胞は自分より大きな細菌の塊は食べられません。また、共凝集した塊の中心部にいる細菌は、好中球に食べられても生き残ることができます。こうして細菌が歯肉に感染し、歯周病になってしまうのです。
同じようにたくさんの細菌が生息していても、「環境」と「常在菌の性質」の違いで、口腔と腸管では病気になる危険性が全く異なります。口腔ケアが必要な理由が分かっていただけたでしょうか。
なので日頃からのブラッシングを大切にしていきましょう(^▽^)o