こんにちは!平岡歯科クリニックの歯科衛生士です。
矯正で歯並びが整うと、鏡を見るのが楽しくなりますよね。でも実は、矯正は装置が外れて終わりではありません。そのあとに続く「保定(ほてい)」という期間が、せっかく整えた歯並びを守るとても大切な時間です。今回は、なぜ後戻りが起きるのか、リテーナーはどう使うのかをご説明します。
矯正後の「後戻り」は、なぜ起きるのでしょう
歯を支える組織が新しい位置に落ち着くまで時間がかかる
歯は骨に直接くっついているわけではなく、歯根膜(しこんまく)という薄いクッションのような組織と、まわりの骨や歯ぐきの線維に支えられています。矯正で歯を動かすと、これらの組織も一緒に引き伸ばされたり縮んだりします。一般的に、こうした組織が新しい位置になじんで落ち着くまでには時間がかかるといわれており、その途中では歯が元の位置に戻ろうとする力がはたらきます。これが「後戻り」です。
つまり後戻りは、矯正がうまくいかなかったから起きるのではなく、どなたにも起こりうる自然な反応です。だからこそ、動かし終えたあとに「その場所にとどまってもらう」ための保定が必要になります。
後戻りしやすくなる要因
- リテーナーの装着時間が指示より短い、使わない日が続く
- 矯正が終わったばかりの時期(組織がまだ落ち着いていない)
- 歯ぎしりや食いしばり、頬づえなどのクセ
- 舌で前歯を押す、口呼吸などのお口まわりのクセ
- むし歯や歯周病、親知らずによる歯並びの変化
リテーナーの役割と、保定期間の考え方
リテーナー(保定装置)は、動かし終えた歯を新しい位置にとどめておくための装置です。歯を動かす装置ではなく「できあがった歯並びを保つ装置」とイメージしていただくと分かりやすいと思います。
保定期間の長さは、もともとの歯並びや動かした量、年齢などによって変わります。一般的な目安としては、歯を動かしていた期間と同じくらい、あるいはそれ以上の保定期間をみておくと安心だといわれています。
装着時間は、段階的に短くなっていきます
リテーナーは最初はできるだけ長く使い、そこから少しずつ時間を短くしていくのが一般的です。進め方の一例は次のとおりです。
| 保定の初期 | 食事と歯みがきのとき以外は、1日をとおして装着 |
|---|---|
| 歯並びが落ち着いてきたら | 日中は外し、就寝時を中心に装着 |
| さらに安定してきたら | 週に数回、就寝時のみなど |
これはあくまで一般的な目安で、実際の期間や時間は歯並びの状態によって異なります。自己判断で短くすると後戻りにつながりますので、必ず指示にそって進めてくださいね。マウスピース矯正をお考えの方は、治療期間だけでなく、このあとの保定も含めて計画を立てておくと安心です。
お手入れと、外れた・なくした・壊れたときの対応
リテーナーも、矯正中のマウスピースと同じようにお手入れが必要です。
- 外したら流水で洗い、やわらかい歯ブラシで軽くこする(研磨剤入りの歯みがき剤は傷の原因になるので水で)
- 熱湯は変形の原因になるため避け、水かぬるま湯を使う
- 水気をきってから専用ケースに保管する
- ティッシュに包んで置かない(そのまま捨ててしまう紛失がとても多いです)
それでも、うっかり起きてしまうのがトラブルです。次のようなときは、できるだけ早くご連絡ください。
- なくした・壊れた…放っておくと数日で歯が動いてしまうことがあります。破片が残っている場合は捨てずにお持ちください。
- 入らない・きつい…しばらく使っていなかったために歯が動き、合わなくなっていることがあります。無理に押し込まずご相談を。
- 歯の裏側の装置が外れた…固定式のリテーナーを付けている場合、外れたまま過ごすと後戻りが進みます。
- ひびや変形に気づいた…見た目に問題がなさそうでも、力のかかり方が変わっていることがあります。
当院では、矯正終了後の保定装置としてビベラリテーナーを使用しています。費用は33,000円(税込)で、場合によっては追加のリテーナーが必要になることもあります。詳しくは料金表をご覧ください。なお、マウスピース矯正は保険適用外の自由診療で、歯の移動にともなう一時的な痛みや違和感、装着時間が足りないと計画どおりに進まないことや後戻りが起こること、歯並びの状態によっては適応外となる場合があることなどのリスク・副作用があります。
保定のあとも、定期的なメンテナンスで歯並びとお口を守る
保定が一段落しても、お口の中は少しずつ変化していきます。一般的に、歯並びは年齢とともにわずかに変わっていくといわれていますし、むし歯や歯周病で歯の形や支えが変われば、かみ合わせも動きます。せっかく整えた歯並びを長く保つために、定期的なチェックとクリーニングを続けていただくことをおすすめします。
メンテナンスでは、歯並びやかみ合わせに加えて、リテーナーが合っているかも一緒に確認できます。当院の予防の考え方は予防歯科のページでご紹介しています。
まとめ
- 後戻りは、歯を支える組織が新しい位置に落ち着くまでに時間がかかるために起こる自然な反応
- 保定期間の目安は、歯を動かしていた期間と同じくらい、あるいはそれ以上
- リテーナーの装着時間は、1日をとおして→就寝時中心へと段階的に短くなっていく
- なくした・壊れたときは放置せず、できるだけ早く連絡する
- 保定のあとも定期的なメンテナンスで歯並びとお口を守る
福岡市南区大橋の平岡歯科クリニック(西鉄大橋駅から徒歩3分)では、マウスピース矯正の無料相談を行っています。3Dスキャンによるシミュレーションをご覧いただきながら、治療後の保定まで含めてご説明します。治療中のお母さまには無料託児(要予約)もご用意しています。ご相談・ご予約はこちらからどうぞ。
よくあるご質問
Q.リテーナーはいつまで使えばよいですか?
A.一律の期限はありません。一般的な目安としては、歯を動かしていた期間と同じくらい、あるいはそれ以上といわれています。歯並びの安定具合を見ながら、担当の歯科医師が装着時間を少しずつ調整していきます。
Q.何日か付け忘れてしまいました。大丈夫でしょうか?
A.付け忘れに気づいたら、まずは入るかどうか試してみてください。きつい、入らないと感じるときは無理に押し込まず、ご連絡ください。放っておくとさらに合わなくなってしまうことがあります。
Q.リテーナーをなくしてしまったときはどうすればよいですか?
A.できるだけ早くご連絡ください。装着していない期間が続くと、後戻りが進んでしまうことがあります。当院ではビベラリテーナーを使用しており、費用は33,000円(税込)です。
Q.保定が終われば、もう歯科医院に通わなくてよいですか?
A.歯並びは年齢やお口の状態とともに少しずつ変化していきます。むし歯や歯周病の予防もかねて、定期的なメンテナンスを続けていただくことをおすすめします。